息子さんから詳しい話を聞き、大家さんからの委任状も届いたので、さっそく戦闘開始です。
まず、内容証明郵便で、借主に対して、延滞している5年分の家賃を直ちに支払うこと、支払わない場合は、契約を解除して明渡しを求めることなどを通知します。当事務所では、原則として明渡し請求事件の依頼を受けてから1週間以内に内容証明郵便を発送します。
内容証明郵便というのは、その名のとおり、送った書面の内容を郵便局が証明してくれる郵便です(詳しくは、ハロー大家さんのHPで説明しています。)。この内容証明郵便に、配達証明というサービスをつけてもらうと、いつ相手に郵便が届いたかも、郵便局が証明してくれます。つまり配達証明をつけた内容証明郵便を使えば、大家さんが借主にどんな郵便を出し、いつ借主に届いたかを証明してもらうことができるのです。
配達証明をつけた内容証明郵便の費用は、封筒の中に入れる通知書の枚数が2枚の場合、1470円です。
契約を解除するときは、原則として延滞賃料の支払いを1回催促し、一定期間(普通は1週間から2週間)待った上で、再度契約解除の通知を出すことが必要です。この催促の郵便と解除通知の郵便を借主が受け取ると、契約は解除されたことになります。そこで、この催促の郵便と解除通知の郵便を借主が受け取ったことを裁判で証明できるように、配達証明付き内容証明郵便を利用するのです。
さて、事件の話に戻りますが、借主に対して内容証明郵便で延滞賃料の支払を催促する通知を出しましたが、借主はこれを受け取りませんでした。「えっ!受け取らないことなんてできるの?」と思われるかもしれませんが、内容証明郵便は書留扱いになりますので、借主本人が受取りを拒否すると配達されません。また、借主が不在だと内容証明郵便は郵便局に戻され、郵便局1週間保管されますが、借主がこの間に再配達を希望するか郵便局に取りに行くかしないと、結局差出人戻ってきてしまいます。
今回のケースは、受け取り拒否でした。まあ、家賃を長期間払わない奴ですから、これくらいのことは予想できました。そこで、こちらも別の手を使いました。それは...長くなりましたの、次回に。