どんな時に使う?
少額訴訟は、民事訴訟のうち,60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて,原則として1回の審理で紛争解決を図る特別な手続です。
ですから、たとえば、借主が月額10万円の家賃を3カ月分滞納している場合、大家さんは、30万円の滞納家賃を請求する少額訴訟の訴えを起こすことができます。
方法、メリット、費用は?
やり方はどうするか
原則として借主の住所地を管轄地とする簡易裁判所を探し、その簡易裁判所に出かけて、窓口で少額訴訟を起こしたいと相談してください。通常は、借主の住所は、貸している部屋ですから、貸している部屋を管轄地とする簡易裁判所に行くことになります。
そうすると、定型の書式の訴状の用紙を渡されますので、これに記入して提出してください。この用紙は、一般の方でも必要事項を書き込めば簡単にできあがるようになっていますので心配ありません。また、分からないことがあれば、窓口にいる裁判所の職員に聞けば教えてくれます。
なお、少額訴訟の訴状を提出する場合には、裁判所に収入印紙と切手を納付する費用があります。
利点は何か
少額訴訟の訴状を簡易裁判所に提出すると、裁判所が裁判期日を決めて、当事者双方に連絡します。この裁判期日は、訴状を提出してから1ヵ月後くらいに開かれ、1回で終わります。このように少額訴訟は、1回の審理での解決を目指すため,証拠書類や証人は,審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られます。
従って、単純な家賃の滞納などの事案であれば、その日のうちに支払いを命じる判決を出してもらうことができます。この1回の審理ですぐに判決を出してもらえるというところが、少額訴訟の最大の利点です。ただし、被告の経済状況を考慮して、分割払,支払猶予,遅延損害金免除の判決がされることもあります。
また、訴訟の途中で話合い(これを「和解」といいます。)により解決することもできます。 さらに、判決または和解の内容が記載された和解調書に基づき,裁判所に強制執行を申し立てることができます(少額訴訟債権執行)。
費用はどれくらいかかるか
- ① 裁判所に納める郵便切手
- ② 裁判所に納める収入印紙
- ③ 弁護士に少額訴訟を依頼した場合の弁護士費用
被告が1人であれば、3,910円分の郵便切手を裁判所に納めます。
請求する金額によって異なります。 たとえば請求する金額が30万円を超え40万円万以下の場合、4,000円の収入印紙を裁判所に納めます。
通常105,000円くらいかかります。