さて、第2回期日です。この日は借主も出頭しました。
事前に借主から、いろいろな事情や反論を書いた書面が提出されました。しかし、その内容は、「以前にこのアパートの建て替えの話があり、その時大家さんが、出て行ってくれるなら立ち退き料を払うと言ったから払って欲しい。」とか、「自分は今お金が無くて困っている。」という内容で、裁判で審理する必要のあるものではありませんでした。
このため、裁判官から、和解の勧告があり、結局1ヶ月後に明け渡すという内容の和解が成立しました。
私としては、5年も家賃を支払っていないこと、内容証明郵便の受け取りを拒否したこと、占有移転禁止の仮処分で執行官が部屋に行った時に居留守を使ったこと、明け渡しの訴えを起こさなければならなかったこと、既に内容証明郵便の発送から3ヶ月以上経過していることなどから、裁判官に1ヶ月の猶予を与える必要はないと強く言いました。
しかし、借主が、裁判官に、「現在職業訓練を受けていて、それが7月中に終わるので、それまで待って欲しい。」と泣きついたため、裁判官から、1ヶ月待ってあげて欲しいと強く言われました。このため、大家さんに確認を取って、1ヶ月後に明け渡すという内容の和解となりました。その代り、未払いの家賃は毎月1万円づつ払ってもらうことにしました。
借主は、和解で決められたとおり、8月2日に引越ししました。
明け渡しが完了しましたので、大家さんから15万円の報酬を受け取りました。
結局この事件では、平成23年3月28日に相談を受け、平成23年8月2日に明渡しが完了しましたので、約4ヶ月程度の期間がかかりました。
弁護士費用も、占有移転禁止の仮処分申立事件がありましたので、合計40万円になりました。
実費は、占有移転禁止の仮処分事件の保証金5万円と仮処分執行の予納金13,000円が帰ってきましたので、約50,480円でした。